【出演者の声】2023/3/21 「ショパンとその時代」展 Part2. vol.1

~大好評だったヘクサメロン!~

「ショパンとその時代」展は関西支部設立当初からほぼ毎年、ショパンと彼を取り巻く作曲家の作品を紹介するレクチャーコンサートとして開催されてきました。佐藤允彦先生ご逝去の後20年ほど途絶えていたこの企画が、この度北村智恵先生の発案で復活しました。
 前半は幻想即興曲のフォンタナ版と二つの自筆譜、そして類似のモシェレスの即興曲を弾き比べ、出版されなかったこの曲の謎に迫りました。
 後半はその難しさからめったに演奏されることがない大曲ヘクサメロン。この曲は1837年に大富豪のベルジョイオーゾ夫人が、当時活躍していた6人のヴィルトゥオーゾたちに、ベルリーニの主題による変奏曲を依頼したものです。リスト役の河江優氏の華麗なる演奏に導かれて、その合間にタールベルクやピクシス役の5人の美女たち(?)が次々登場、超絶技巧の変奏曲を披露しました。演奏の華やかさと見た目の楽しさとが相まって、聴衆は大喝采、こんな曲があったとは!また弾いてほしい!と続々好評が寄せられました。その中でもショパンの変奏曲は他の超絶技巧のものとは違ってノクターンのような趣で、彼が当時の音楽界の中で独自のスタンスを貫いていたことがわかりました。
 「ショパンとその時代」展は今年度も2024年3月23日にジュエにて開催されます。作品を通したショパンの交遊録、ショパンの作曲家としての指導法などが演奏とともに紹介されます。どうぞご期待ください!(木下千代・記)

⇒次回2024/3/23「ショパンとその時代」展の情報は詳細決定しましたらこちらに掲載いたします